後半では「一年を納め、新しい年を迎える行事」をご紹介しています。
札幌大仏 文殊殿――小さな試みから見えてきたもの。
季節も進み、あちらこちらの峰々から初冠雪の便りが聞こえてくる 頃となりました。 境内では、ライラックに縋りつくように蔓を伸ばし、夏の陽を存分に浴びていた「野ブドウ」も、いつの間にか秋の装いです。 緑一色だった実の中に、、青、紫、そして瑠璃色の小さな玉がぽつり、ぽつり。
同じ蔓から生まれたのに、色づく時も、色もそれぞれです。 夏の間には気にも留めなかった一本の蔓が、秋になると足を止めさせる。 意外や意外。 自然というものは、こちらが忘れた頃に、なかなか面白いものを見せてくれます。 考えてみれば、お寺の中にも似たようなことがあります。 「ちょっと、やってみようか。」 始まりは、それくらいのもの。 竹を割って短冊にしてみた。 ペットボトルに絵を描いて灯りを入れてみた。 小さな木の棒を折って、迷いを一つ区切ることを考えてみた。 どれも、始めた時から先の姿が見えていたわけではありません。 ところが、やってみる。 すると誰かが足を止める。 誰かが面白がる。 誰かが手を加える。 そして、最初には思いもしなかった景色が少しずつ現れてきます。 今年の迎え火で灯したペットボトル灯籠も、その一つでした。 身近な一本のペットボトルに絵を描き、灯りを入れただけ。 ところが夜になると、昼間には見えなかった絵が浮かび上がり、いくつもの灯りが並ぶと、そこには思いがけない景色が生まれました。 やってみなければ、見えなかった景色です。 そして振り返れば、当山の木仏・札幌大仏 文殊大菩薩も、最初は 「造ろう」という一つの思いから始まりました。 その御仏を彫り上げることができたのは、昭和63年、白老の製材所で出会った北海道産・緋桂材があったからこそです。
昭和63年秋、白老の製材所において、札幌大仏となる北海道産・緋桂材 約50石(約9㎥)を前に、奉賛会役員一同が集い、念願の原木を調達できたことに感謝のご法楽を勤めました あの材との出会いがなければ、今の札幌大仏様のお姿はありませんでした。 もし、あの時―― 考えるだけで終わっていたなら。 今ここに文殊殿はなく、札幌大仏様の前で手を合わせる人々の姿もなかったでしょう。 始めなければ、始まりなし。 けれど、何か立派なことを始めなくてもよいのでしょう。 一枚写真を撮ってみる。 一本の花を飾ってみる。 いつもと違う道を歩いてみる。 昨日まで素通りしていたものに、ちょっと目を向けてみる。 それだけでも、昨日とは違う景色が見えてくるかもしれません。 境内の野ブドウも、夏にはただの緑の実でした。 それが秋になり、一粒の瑠璃色から景色を変え始めています。 その一粒から、何色が生まれてくるのでしょう。 私達もーー 「やってみよう。楽しいかも。」 そのくらいの始まりで、よいのかもしれません そんな小さな試みに、木仏・札幌大仏様は、 今日も静かにまなざしを向けてくださっています。
一年を納める
仏具磨きと大仏様すす払い
お寺の一年は、小さな営みの積み重ねです。 十一月八日には、年末に向けて新しい年を迎える準備が始まります。 毎年、檀信徒の皆様をはじめ、ご縁のある方々にもお集まりいただき、一年間、御本尊の堂内で使われてきた仏具を一つ一つ手に取り、丁寧に磨きます。 布を当て、何度も手を動かす。 時間をかけて、丁寧に、何度も何度も。 曇っていた仏具に、少しずつ本来の金色の輝きが戻ってきます。 一人で黙々と磨く方もいれば、隣の方と言葉を交わし、ときには笑い声も聞こえる。 新しいものに取り替えるのではなく、今あるものに手をかけ、大切にし、また次の一年へつないでいく。 そこにも一つの喜びがあります。
参加される方の中には、かつて亡きお身内がご供養を想いながら勤めておられたこの奉仕を受け継ぎ、その姿を思い出しながら、静かに仏具を磨かれる方もおられます。 手から手へ。 想いから想いへ。 これもまた、毎年繰り返されてきた小さな心の積み重ねです。
十二月二十日 札幌大仏・文殊大菩薩のすす払い
大きな大仏様ですから、すす払いもなかなかの大仕事です。 普段は手の届かないところまで、一年間に積もった埃を少しずつ払っていきます。 毎日、多くの参拝者を静かに見守ってこられた大仏様。 今年一年の埃を払い、清らかなお姿で新しい年を迎えていただきます。 
仏具を磨く手。 大仏様の埃を払う手。 振り返れば今年も、たくさんの人の手によって、小さな営みが一つ、また一つと積み重ねられてきました。 その一つ一つがあって、今年も当山の一年が暮れようとしています。 もしよろしければ、HPをご覧の皆様もご参加いただけます。 大仏様をお支えする大きな獅子のお足など、ご自身の手で、想いを込めてお掃除されてみてはいかがでしょう。 一年を納める、そのひと手を。 皆様とご一緒できれば幸いです。 詳しくは、お寺の受付窓口にてお尋ねください。
合 掌
■ 若BONNさん ■

「あなたなら、何から始めます?」
整理整頓――
私も、いつも言われています。
部屋だけでなく、
心の中にも散らかっているものがあるようで。
■ 散念棒 ■
迷いの置き場所、お困りですか。
心の整理整頓窓口へ
文殊さまの前で、散念棒を一本。
