じりじりと照りつけた夏の太陽はまだ残暑厳しく、十三仏さま巡拝も秋彼岸の頃には心地よい季節となります。その頃には紅葉も始まり、落ち葉の舞う景色が間近に迫ります。この時期の巡拝は祈りと共に秋の趣を楽しむ歩ともなります。お勧めの巡拝は風情ある秋の季節と青葉と桜の頃ともいえます。
北海道十三仏霊場が開壇されてから、早や40年。先人より受け継がれてきた祈りの道は、今も変わらず人々が道をたどり、願いを託し仏縁を結ぶ巡礼の場として重ねられています。時代も変革し現在は自家用車を活用しての個人参拝が主流に成っています。
当山においても、霊場開壇と共に第3番札所「霊場本尊・文殊菩薩」造立の願いが起こされました。その祈念は長き歳月をかけて重ねられ、幾多の困難を乗り越え、完成へと導かれたのです。かくしてその歩みは尊き仏縁の加護を受け、二十年前に札幌大仏文殊大菩薩の開眼へと結実し、今日に至るまで多くの方々にご参拝をいただいております。 希少価値の高い道内産桂材による木仏造立であり、その木のぬくもりは他に代えがたく、拝する者の祈りの心を深く呼び覚ます力を備えています。
開壇40周年記念法要のご案内
執行日 令和7年9月17日(水曜日)午後1時~午後3時終了予定
会場 第1番札所 隆光寺 札幌市中央区円山西町2丁目22-1
・北海道十三仏霊場開壇四十周年記念法要厳修
・諸霊位供養 並びに式典と講演
尚、当日の参加費は無料。ご供養お申込みの際は1体千円をご奉納下さい。
皆様の御参拝をお待ち申し上ています。
お問い合わせ先 事務局 伊達市・不動寺
☎ 0142-23-3479
このたび、開壇四十周年の節目にあたり霊場会主催により、北海道十三仏霊場開壇四十周年記念法要が奉修いたされます。
永き歳月を経て積み重ねられた祈りを顧みつつ、未来へと受け継ぐ大切な刻となる法要です。ご参拝の皆様には祈りを共にする尊きご縁と成ります様願うものです。
功徳の歩――祈りの証言
かれこれ20年前の霊場巡拝風景、水掛に臨まれた当山婦人会と役員の方々です。その多くはいまは故人となられました。現在この中のお1人がお寺の伝統を受け継がれ、お寺護持発展のかなめと成られています。
恒例だった団体巡拝の折の一場面です。写っておられる方々の多くは、すでに彼岸へと旅立たれました。先々を見据えつつ静かに柄杓を掲げるその姿には、祈りの場であるお寺を支え続けた責任とその祈りの重みが宿っています。
お水かけの一杓は、亡き人と生きる者を結ぶ橋でもあります。水の音、握る数珠のぬくもり、合掌の気配、その一つ一つが、当山の歳月と積み重ねられた功徳の深さを静かに証言しています。積まれた功徳は、いまを生きる私たちに「何を受け継ぐのか」を問いかけ続けています。
通常は言葉にならない思いが、この一枚には静かに宿っています。祈りの所作が語るものに耳を澄ませ、私たちも足もとを見つめなおしたいと感じさせる穏やかな記憶です。
報恩の思いを込め 静かに合掌